法人名義にて所有する海外不動産の売却時にかかる税金について教えてください。

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渡邊 崇甫税理士(元国税局 調査官)
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会社経営をしており、法人名義にて海外に不動産を購入することを検討しています。

売却時にはどのような税金がかかるのか教えてください。

日本法人が海外の不動産を売却したことにより得た譲渡益は、国内にある不動産を売却した場合と同様に、課税されることとなります。

法人で不動産を売却した際は、以下の計算方法にて課税額を算出し、法人の売上として合算した上で法人税がかかります。

利益 = 売却額 -(売却した土地建物の簿価+譲渡費用)

法人税率については、利益が800万円未満であれば23%、800万円以上は34%となります。

なお、不動産は、所有名義が法人あるいは個人かで、譲渡益にかかる税金方法が異なります。

以下、法人所有の物件を個人に名義変更することにより、譲渡益にかかる税率が法人よりも低くなる方法をご紹介します。

個人に名義変更することで、売却時にかかる税金が低くなる

個人が物件を売却した譲渡益に対してかかる税金は以下のとおりです。

「短期譲渡所得」・・・譲渡所得×39.63%(所得税及び復興税30.63%、住民税9%)

「長期譲渡所得」・・・譲渡所得×20.315%(所得税及び復興税15.315%、住民税5%)

「短期譲渡所得」は所有期間が5年未満、「長期譲渡所得」は所有期間が5年以上の物件が該当します。

上記のとおり、所有期間が5年を経過したものは、譲渡益にかかる税率が20%となります。

海外不動産の「短期償却ができる」という特徴を生かし、償却が完了する頃に個人に物件を売却すれば、名義が個人となりますので売却時にかかる税金を低くすることができます。

*この所有期間5年とは、個人に移転してからの期間となります。

そのため、個人に移転後5年間の所有が必要となります。

個人が買い取る金額はいくらか

なお、個人への売却金額をいくらにするかという点は、さまざまな考え方があります。

償却が終わっていれば、建物の価値はないものとし、資産としての土地代だけという考えもある一方、市場価格で買い取りすべきという考えもあります。

当社では、アメリカのラスベガスにて2017年に物件を購入しました。

まもなく、建物部分の償却が終わりますので、時期がきましたら当社税理士と相談の上、どのように処理をするか決めたいと思います。

以下、当社のアメリカ不動産への投資事例の詳細ページとなります。

今後の進捗につきましては、都度ページへ反映していきますのでぜひご覧ください。