決算対策として、半損保険に加入するメリットを教えてください。

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渡邊 崇甫税理士(元国税局 調査官)
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法人保険の質問です。

保険の営業マンに、経営者の法人保険に加入すると毎年の保険料の半分が損金にできると言われました。

保険料の支払いの心配はありませんが、本当に加入すべきなのか分からないため、加入を検討しています。

加入するメリットを教えてください。

加入をおすすめします。

なぜなら、保険に加入した方が、多くの利益を将来に残せるようになるからです。

未加入の場合と保険料の半分が損金となる保険に加入する場合で比較してみます。

保険未加入で500万円を10年間貯める場合

▼手元に残る金額

500万円-(500万円×30%)=350万円(法人税は30%で計算)

350万円×10年間=3500万円

保険料500万円で10年間の保険に加入する場合

▼保険料支払い累計額

500万円×10年間=5000万円

▼返戻金受け取り額

5000万円×90%=4500万円(※返戻率は10年ピーク時90%で計算)

このように保険に加入した方が、1000万円多く残ります。

また、提案された保険は、保険料の1/2を損金計上できます。

つまり、毎年250万円を損金計上でき、法人税は75万円節税できることになります。

以上から、保険に加入した方がメリットが大きいことが分かります。

しかし、節税効果が生まれるのは、解約返戻金を経費として支出できた場合に限ります。

あくまでも、保険は利益の繰り延べにすぎません。

解約時に受け取る返戻金には、益金が発生し税金がかかります。

  • 全額損金保険・・・返戻金の全額が益金
  • 1/2損金保険・・・返戻金の約半分が益金

事例の場合、受け取る4500万円のうち2000万円が税金対象となります。

そのため、2000万円を退職金や設備投資に充当する準備が必要になります。

クライアントの加入保険は以下をご覧ください。