会社の利益を個人に移転させるには、損金にならない役員賞与で行うしかありませんか?

渡邊 崇甫税理士(元国税局 調査官)
- 詳しいプロフィール
公開日:
-
家族で小さな会社を経営しています。
会社の資金を個人へ移動させたいと考えています。
役員の決算賞与は損金にできないことを理解していますが、利益を移転させるにはこの方法しかないのでしょうか。
-
いいえ、「旅費規程」を活用すれば、会社の利益を個人に移転させることができます。
年間数十万円〜数百万円の経費を計上し、非課税で個人へ利益移転ができるようになります。
具体的な方法をご説明します。
「旅費規程」導入前と導入後の比較
旅費規程なし
東京-大阪間
- 新幹線:普通車を利用
- ホテル:ビジネスホテルのシングルを利用
交通費 片道:13,620円
往復:27,240円
ホテル代 10,000円 日当 0円 合計 37,240円 実費精算のため、領収書のとおり37,240円を経費計上し、個人へ支給します。
旅費規程あり
東京-大阪間
- 新幹線:グリーン車を利用
- ホテル:シティホテルのデラックスを利用
交通費 片道:19,230円
往復:38,460円
ホテル代 20,000円 日当 12,500円 合計 70,960円 旅費規程に基づく精算のため、70,960円を経費計上し、個人へ支給できます。
なお、交通手段やルートに決まりはありません。
そのため、実費分との差額は個人で自由に使えるお金となります。
旅費規程を導入したことで、実費(37,240円)よりも約3.3万円多い金額を経費計上、利益移転できました。
月1回、東京-大阪間の出張へ行くことで、年間40万円を個人へ利益移転できます。
当然、出張先は海外でもどこでも対応できますし、出張回数が多ければ多いほど金額も多くなります。
さらに、このお金は、所得税法上非課税扱いになりますので税金がかかりません。
現時点で出張がなくてもぜひ積極的に出張を取り入れ、この恩恵を享受することをおすすめします。
詳細は以下をご覧ください。