今期欠損金がでました。利用できる制度があれば教えてください。

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渡邊 崇甫税理士(元国税局 調査官)
公開日:2022年2月4日

起業して3年目です。

昨年まで連続で黒字でしたが、今期欠損金がでました。

このような場合に利用できる制度があれば教えてください。

連続して青色申告をされていれば利用できる制度があります。

欠損金を翌年以降の節税に利用できる「欠損金の繰越控除」と前期の納税額から還付を受けられる「欠損金の繰り戻しによる還付」の2つの制度です。

※令和3年10月現在

欠損金の繰越控除

欠損金の繰越控除とは青色申告を連続してだしていれば、決算で欠損金(赤字)になった場合に翌期以降の所得から差し引ける制度です。

繰越できる期間は事業年度で異なります。

平成20年4月~平成30年3月31日以前の事業年度分:9年

平成30年4月1日以降の事業年度分:10年

例えば1年目にに500万円の赤字を出した場合に翌年以降3年間で500万円毎黒字を出したとしても、以下のように所得が0の扱いで計算されます。


赤字黒字
1年目500万円
2年目相殺100万円
3年目相殺100万円
4年目相殺300万円

また、複数年欠損金を出した場合は、それぞれ該当の事業年度からの繰り越し期間が適用され、古い順に相殺することができます。

▼注意点

資本金によって欠損金の繰越控除のできる割合が異なります。

資本金1億円以下:一律欠損金の100%の繰り越し可能

資本金1億円以上の企業:

平成27年3月31日以前の欠損金・・欠損金の80%

平成27年4月~平成29年3月31日の欠損金・・欠損金の65%

平成29年4月以降の欠損金・・欠損金の50%

欠損金の繰り戻しによる還付

欠損金の繰り戻しによる還付とは資本金1億円以下の企業を対象に、青色申告を連続してだしていれば決算で欠損金(赤字)になった場合、前期が黒字で納税していれば、納付した法人税額を上限として払い戻しを受けることができるという制度です。

▼還付額の計算式

前期の法人税額×今期の赤字額÷前期の所得金額

▼注意点

上限額は「法人税額」です。

法人事業税や法人住民税の金額は上限額に含まれません。

もし赤字額が前期の法人税額や還付金よりも多い場合は差額分が先に記載した「欠損金の繰越控除」の対象となります。

前期に納付した「法人税」の額が500万円で所得金額が2,250万5千円、今期700万円の欠損金だった場合

前期「法人税額」:500万円・・・①

今期「欠損金」:700万円・・・②

前期「所得金額」:2,187万5千円・・・③

還付金:①×②÷③=160万円・・・④

欠損金が還付金より少ないので差額を繰越控除できます。

繰越控除額:②-④=540万円

仮に翌期に500万円の黒字、その翌期に300万円の黒字が出た場合


欠損金黒字備考
前期

500万円納税
今期700万円
160万円還付:差額が繰越控除
翌期繰越控除額540万円相殺500万円40万円繰越控除
翌々期繰越控除額の残金40万円が相殺300万円相殺後の260万円を基に税金

「欠損金の繰越控除」の場合は節税にはなりますがキャッシュフローは改善しません。

一方「欠損金の繰り戻し」の場合は還付を受けることができるのでキャッシュフロー的にはありがたい制度になります。

※なお、新型コロナ税特法の特例によって資本金1億円超~10億円以下の企業も令和2年2月1日から令和4年1月31日までの間に終了する各事業年度において生じた欠損金について繰り戻しが利用できるようになりました。
詳細はこちらをご覧ください。

節税対策による繰越控除の利用

節税商品などで対策をおこない、結果的に欠損金をだしてしまった場合でも、繰越控除によってその時の利益の繰り延べ分を含めた黒字が相殺されるということができます。

こういった商品を上手に利用することで節税対策を行うこともできます。

節税商品についてはわたしのクライアントが償却と利益の繰り延べに繋がる投資経験があり、事例を紹介しております。

基本的に商品や事業に投資を行い、後々投資額以上を回収していくスキームとなります。

以下のように回収期間や投資額の異なる様々な商品を実践しその詳細を公開しています。

事業名投資額(1口)回収期間償却期間想定利回り
ドローンレンタル事業360万円1年即時103%
エアコンレンタル事業499万円5年即時120%
ヘリコプター投資事業3,000万円2年~5年1年100%以上
※2021年10月時点での収益利回りです。現在の利回りはお問合せください。
以下、他の商品も含めて公開されていますのでご覧ください。