役員報酬やボーナスを自分に支給して節税することはできるのでしょうか。

渡邊 崇甫税理士(元国税局 調査官)
- 詳しいプロフィール
公開日:
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会社を経営しています。
今期は利益が上がり、黒字決算です。
納税しないといけないことを考えると、利益をプラスマイナスゼロくらいにしたいと考えています。
そこで、役員報酬やボーナスを自分に支給して節税することはできるのでしょうか。
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いいえ、その方法では節税できません。
なぜなら、利益調整とみなされ、損金算入ができないからです。
役員報酬の金額を変更できるのは事業年度開始から3ヶ月間です。
それ以降の変更は、損金として認められません。
ボーナスも税務署への届出が必要なので、決算前の支給は損金にできません。
損金にでき、個人へ利益を移転できる方法は、「旅費規程」です。
旅費規程を活用すれば、以下ができるようになります。
- 出張にかかる交通費、宿泊費は実費精算ではなく定額支給ができる
- 日当を定額支給できる
具体的にご説明します。
例)東京ー大阪間の出張
支給額 精算方法 旅費規程なし 37,240円 実費精算 旅費規程あり 88,460円 定額支給 通常、領収書による実費精算で交通費と宿泊費を合わせて37,240円を支給します。
しかし、旅費規程導入後は、交通費、宿泊費に日当を含め88,460円を定額支給できるようになります。
なお、実際の交通手段やルートは問いません。
そのため、実費精算と同じルートや手段で行く場合、88,460円ー3,7240円の差額51,220万円が個人に残ります。
このお金は、非課税ですので、所得税と住民税がかかりません。
このように、1回の出張で約8万円の損金計上ができ、個人は約5万円を非課税で受け取れます。
出張回数を増やすことで、損金額と支給額も多くできます。
詳しくは以下のページをご覧ください。