社会保険料の削減を検討しています。 現在年収が800万円ですが、導入後にはどのくらいのメリットがでますか。

渡邊 崇甫税理士(元国税局 調査官)
- 詳しいプロフィール
公開日:
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中小企業の経営者です。
社会保険料の削減を検討しています。
現在年収が800万円ですが、導入後にはどのくらいのメリットがでますか。
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以下の表にて、年収ごとに社会保険料の削減を実施した際に得られる効果を示しています。
年収 削減前の社会保険料 削減後の社会保険料 差額(労使双方) 400万円 1,163,904円 1,003,216円 160,608円 500万円 1,491,253円 1,123,361円 337,936円 600万円 1,818,600円 1,243,416円 575,183円 700万円 2,145,108円 1,355,109円 789,999円 800万円 2,407,416円 1,355,109円 1,052,307円 900万円 2,508,300円 1,355,109円 1,153,191円 1000万円 2,623,596円 1,355,109円 1,268,487円 1500万円 3,257,724円 1,355,109円 1,902,615円 2000万円 3,430,668円 1,355,109円 2,075,559円 *保険料率は2020年11月時点の大阪府のものです。
なお、2000万円以上の場合、社会保険料の算出のしくみにより効果は2000万円のケースと同様となります。
年収800万円の変更前と変更後の差額とその詳細
年収800万円の場合の変更前と変更後の差額は、以下のとおりです。
2,407,416円―1,355,109円=1,052,307円上記は、労使合計での削減額となりますので個人法人でそれぞれ年間約52万円の社会保険料が削減できたことになります。以下、詳細となります。変更前
▼受け取り方法
役員報酬 800万円 役員賞与 0円 合計 800万円 ▼社会保険料
健康保険料 厚生年金保険料 社会保険料 役員報酬 980,016円 1,427,400円 2,407,416円 役員賞与 0円 0円 0円 合計 980,016円 1,427,400円 2,407,416円 個人法人合わせた社会保険料の合計は2,407,416円です。…①
変更後
▼受取り方法
役員報酬 120万円 役員賞与 680万円 合計 800万円 健康保険料 厚生年金保険料 社会保険料 役員報酬 141,228円 251,208円 392,436円 役員賞与 688,173円 274,500円 962,673円 合計 829,401円 525,708円 1,355,109円 個人法人合わせた社会保険料の合計は1,355,109円です。…②
削減前と削減後の差額は以下のとおりです。2,407,416円(①)―1,355,109円(②)=1,052,307円本スキームを導入することの留意点
厚生年金の保険料を減らすため、それに応じて将来受け取れる年金額も減ることになります。当社の代表は、年収2,170万円で本スキームを導入しました。導入前と導入後では、合計206万円(個人法人ではそれぞれ103万円ずつ)社会保険料が削減できたこととなります。それによる年金の受け取り額は、毎月5,000円ほど少なくなる予定です。その点を踏まえて、ご検討ください。当社の事例は以下よりご覧いただけます。報酬金額の設定に関する当社の考え方を知りたい方、あるいは導入をご希望の場合はお気軽にお問合せください。