減価償却と即時償却の違いを教えてください。どちらが節税効果は高いですか?

渡邊 崇甫税理士(元国税局 調査官)
- 詳しいプロフィール
公開日:
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設備投資を検討しています。「減価償却」と「即時償却」という言葉を聞きましたが、違いがよくわかりません。節税効果として、どちらが有利なのでしょうか。
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即時償却は購入年度に全額損金にできるため、節税効果のスピードが最大です。ただし対象となる資産・制度に条件があります。
減価償却と即時償却の違い
比較項目 減価償却 即時償却 損金算入のタイミング 法定耐用年数にわたって毎年分割 購入した年度に全額一括 節税効果の発生時期 数年〜数十年にわたって分散 購入年度に集中 対象資産 すべての償却資産 要件を満たした特定資産のみ 手続き 確定申告のみ 別途申請が必要な場合あり 即時償却が使える主な制度
- 中小企業経営強化税制:生産性向上に資する機械・設備等が対象
- 中小企業投資促進税制:一定の機械装置・ソフトウェア等が対象
- 少額減価償却資産の特例:取得価額30万円未満の資産を全額損金(年間300万円まで)
どちらが有利か
即時償却はあくまで課税の繰り延べです。購入年度に多く損金算入した分、翌年以降に計上できる償却費はなくなるため、支払う税金の総額は通常の減価償却と変わりません。「節税」というより「納税タイミングの先送り」として理解しておくことが重要です。
一方、毎年安定した利益が出る場合は通常の減価償却を複数年にわたって計上することで、税負担を平準化できます。
決算直前に大きな利益が出た際の対策として即時償却は有効ですが、翌期以降への影響も含めて判断することが重要です。
まとめ
減価償却と即時償却の本質的な違いは「損金算入のタイミング」にあり、支払う税金の総額は原則変わりません。即時償却は今期の税負担を大きく圧縮できる反面、翌期以降に計上できる償却費がなくなるため、中長期の資金計画を見た設計が重要です。
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