個人事業主から法人成りした場合、倒産防止共済の加入歴は引き継げますか?

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渡邊 崇甫税理士(元国税局 調査官)
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個人事業主として倒産防止共済に加入しています。近く法人化を予定していますが、これまでの積立金や加入歴は法人に引き継ぐことができますか?一度解約が必要な場合のリスクも含めて教えてください。

積立金・加入歴ともに法人へ引き継ぐことができます。法人化のタイミングで解約してしまうと2年間再加入できなくなるため、必ず引き継ぎの手続きをとってください。

手続きの流れ
  1. 法人設立後、中小企業基盤整備機構(中小機構)へ「契約者変更申込書」を提出
  2. 法人の登記簿謄本・印鑑証明書などの添付書類を用意
  3. 審査後、法人名義に切り替え完了
引継ぎのメリット
  • 加入期間がリセットされないため、解約返戻率100%の40ヶ月超の実績が活きる
  • 再加入の場合に生じる2年間の空白期間が不要
  • 積立金額がそのまま法人の資産として続く

なぜ解約すると2年間再加入できないのか

倒産防止共済は、短期解約・再加入を繰り返すことで節税効果を意図的に操作することを防ぐため、任意解約後2年間は再加入が認められません。

法人化のタイミングで「一度精算してから法人で入り直そう」と考えると、このルールが適用されます。倒産防止共済の掛金上限は月額20万円(年間240万円)であるため、2年間の空白はそれだけの損金算入機会を失うことを意味します。

法人化と同時に加入を再開したいと考えている場合は特に注意が必要です。

引き継ぎできないケースに注意

以下の場合は引き継ぎが認められないことがあります。

  • 個人事業を完全に廃業し、まったく別の事業内容で法人化した場合
  • 法人化後に長期間手続きをしなかった場合

いずれも個別の状況によって判断が異なるため、事前に加入金融機関または中小機構へ確認することをおすすめします。

まとめ

法人成りの際は、解約ではなく引き継ぎ手続きを選ぶことが原則です。解約してしまうと2年間の空白が生じ、その間の損金算入機会を失うだけでなく、解約返戻金に税負担が発生する可能性もあります。

法人化のスケジュールが決まったら、早めに中小機構または加入金融機関へ確認することをおすすめします。なお当社の倒産防止共済加入の体験談は以下のリンクからご覧いただけます。