オペレーティングリースで投資している航空会社が倒産した場合、出資したお金はどうなるのでしょうか。

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渡邊 崇甫税理士(元国税局 調査官)
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オペレーティングリースで投資している航空会社が倒産した場合、出資したお金はどうなるのでしょうか。

投資した航空会社が倒産した場合、当初契約時に予定していた航空会社からは資金が回収できなくなります。

しかし、機体の所有権は匿名組合にあります。

そのため、航空会社から匿名組合へ機体が返却されます。

機体自体に価値がありますので、匿名組合は市場に機体を売却することにより資金を回収することができます。

よって、倒産しても出資したお金が0になることはありませんが、売却金額次第になります。

また、倒産前に匿名組合は以下2つの対策を取ることもあります。

  1. 機体を航空会社から返却してもらい、新たな借り手を見つける、もしくは市場に売却する
  2. 航空会社が倒産しないような手立てをとる

1、機体を航空会社から返却してもらい、新たな借り手を見つける、もしくは市場に売却する

航空会社による債務不履行が生じた時点で、匿名組合は機体を航空会社から返却してもらう権利を行使できます。

その後、新たな借り手を見つける、もしくは売却先を探して資金を回収できる動きを取ります。

2、航空会社が倒産しないような手立てをとる

当社では、これまで4つの航空機オペレーティングリースと1つのタンカーオペレーティングリースへ投資した経験がありますが、そのうちの1つの航空機リースで直面しているのがこのケースです。

飛行機は人々の生活に必要なインフラなので、航空会社が経営破綻に陥っても国などが救済し再建に向けて経営を継続することがよくあります。

その場合、リース契約は継続され、出資したお金の返還時期にも影響はありません。

当社のケースでも、経営破綻があったのち、大手航空会社が資金面でのサポートをし再建に向けて進んでおりました。

しかし、新型コロナウィルスが流行した時期でもあり、航空業界全体の業績が落ち込み、サポートが受けられなくなりました。

「1」の手立ても考えられましたが、業界全体に影響があったことから、得策とは言えませんでした。

機体の返還を受けてもすぐに買い手が見つかるとは言えません。

また、売却金が期待できるかどうかも分かりません。

その間、機体の修繕費用、保険料、駐機費などさまざまなコストがかかります。

これらは、出資者が追加で負担することとなります。

出資者へ最大限メリットを還元することを考えた際に、総合的な状況から匿名組合では、航空会社の再建へ向けた対策がベストと判断し、匿名組合側で弁護士法人を起用するに至りました。

なお、こちらの弁護士費用につきましても追加出資の対象となります。

かかる費用を出資者全員で分割することになり、当社が負担する費用は、数十万円くらいになるだろうと言われています。

上記は、2020年11月時点での状況となります。

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