退職金を支払う年度に、法人側ではどのような税務処理が必要ですか?

渡邊 崇甫税理士(元国税局 調査官)
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公開日:
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役員が退任することになり、退職金を支払う予定です。受け取る役員側の税金はわかりましたが、支払う法人側の会計・税務処理について教えてください。損金になるタイミングや必要な書類も知りたいです。
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退職金は「株主総会で支給決議した事業年度」に損金算入できます。議事録の作成が必須です。
損金算入のタイミング
役員退職金が法人の損金として認められるのは、株主総会(または取締役会)で支給額を決議した事業年度です。 実際に支払った日ではなく、「支給決議をした日」が基準になる点が重要です。
決算月に決議すれば、その期の損金として計上できます。
必要な書類・手続き
書類 内容 株主総会議事録 退職金の支給額・支給先・支給時期を明記 退職所得の受給に関する申告書 退職する役員が記入・会社に提出 退職所得の源泉徴収票 会社が作成・役員に交付 源泉徴収税額の納付 支給月の翌月10日までに納税 仕訳例
退職金の支給決議をした事業年度に費用計上:
- (借)役員退職金 6,000万円
- (貸)普通預金 6,000万円
実際に支払いをした時点:
- (借)未払金 6,000万円
- (貸)普通預金 5,000万円(概算)
- (貸)預り金(源泉所得税)1,000万円(概算)
源泉税を納付した時点:
- (借)預り金 1,000万円
- (貸)普通預金 1,000万円
※源泉徴収額は退職所得の金額・控除額により異なります。
税務調査で問題になりやすいポイント
- 議事録の日付と実際の支払日が大きく乖離している
- 功績倍率が同業他社と比べて著しく高い
- 退職後も実質的に経営に関与している(「みなし役員」問題)
まとめ
退職金を損金として確実に認められるためにも、支給前の設計段階から税理士や専門家に相談することをおすすめします。
ご質問やご不明点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
