退職金と住民税の関係を教えてください。翌年の住民税が高くなりますか?

渡邊 崇甫税理士(元国税局 調査官)
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退職金を受け取った翌年に住民税が高くなると聞きました。退職金に住民税はどのようにかかるのでしょうか。また、退職所得控除の恩恵は住民税にも適用されますか?
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退職金の住民税は「退職所得割」として源泉徴収されます。翌年の住民税が跳ね上がることはありません。
退職金の住民税は「分離課税」
退職金にかかる住民税は、給与とは切り離して計算される「退職所得割」として処理されます。そのため、退職金を受け取っても翌年の住民税(普通徴収)に上乗せされることはありません。
住民税の計算方法
退職所得(課税対象額)の計算は、所得税と同様です。
- (退職金 − 退職所得控除額)× 1/2 = 退職所得
この退職所得に対して、住民税率10%(道府県民税4%+市区町村民税6%)が適用されます。
具体的な計算例
勤続30年・退職金5,000万円の場合:
- 退職所得控除額:800万円+70万円×(30年−20年)=800万円+700万円=1,500万円
- 退職所得:(5,000万円−1,500万円)×1/2=1,750万円
- 住民税額:1,750万円×10%=175万円
源泉徴収のタイミング
住民税は退職金の支払い時に会社が源泉徴収し、翌月末までに市区町村へ納付します。 受け取る役員側が自分で納付手続きをする必要はありません。
まとめ
退職金は所得税・住民税ともに手厚い優遇がある、経営者にとって最も効率的な資産受取手段の一つです。
ただし、その恩恵を最大限に活かすには、勤続年数・退職時期・報酬水準・他の所得との兼ね合いを踏まえた事前設計が欠かせません。
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