国際取引に関する税務~進出形態による現地課税関係~

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渡邊 崇甫税理士(元国税局 調査官)
公開日:2017年9月24日

近年における取引の国際化の影響を受け、企業の海外進出が日常的になってきています。

一昔前は、国際取引は一部の大手企業に限られたものとの印象がありましたが、中小企業においても当たり前のように海外進出しているのが現状です。

大手企業が海外進出をすれば、その下請けや孫請けも部品やサービスの供給責任を果たすために同じ国や地域に同じように進出するケースも多いようです。

ただ、国際取引にきちんと対応できる会計士や税理士が育っていないのが現状です。

国際取引に関する会計・税務を果たすためには、国際課税ルールの理解や、現地法制、租税条約の規定や適用関係の知識が必要となります。

「海外進出」と一言にいっても様々な進出の仕方があります。

1 輸出(現地拠点なし)
2 技術供与(現地拠点なし)
3 駐在員事務所(現地の情報収集、現地法人設立準備)
4 支店
5 子会社

上記のように進出形態はそれぞれですが、現地における課税関係はそれぞれの形態により異なってきます。

海外進出にあたり、現地に拠点(=拠点、恒久的施設「PermanentEstablishment」)がなければ現地で課税されないのが国際ルールです。いわゆる≪PEなければ課税なし≫という国際課税原則です。

ただし、投資性所得(利子、配当、使用料(ロイヤリティ)など)が現地で生じていれば、PEがなくても現地国で源泉課税されるのが一般的です。

ただ最終的には、現地国の税法の規定や日本と締結した租税条約の有無、締結していればその規定ぶりにより判断されることとなります。

国際課税原則に照らせば、上記1は単なる「輸出」であり現地拠点=PEがないため、「PEなければ課税なし」の原則により現地で課税されることはないといえます(代理人PE、サービスPEなどの認定がなされれば課税されることもあります)。

上記2については、技術供与に対するフィー、すなわちロイヤリティ(=使用料)を収受していれば現地国で源泉課税がなされることが想定されます。いわゆる投資性所得に対する源泉課税です。

上記3については、その駐在員事務所が単なる現地の情報収集、現地法人設立準備のみの機能しか果たしていなければ、PEとは認定されず、したがって現地における課税関係は生じないと考えられます。

上記4の「支店」については、PEに該当しますので、その「支店」が稼得した所得について現地国で課税されることとなります。その「支店」が稼得した所得金額や税額を計算し、現地の税務当局に確定申告書(Income Tax Return)を提出することとなります。箱ものとしての支店以外にも、建設PE、代理人PE、サービスPEについても現地課税の対象となるので注意が必要です。

上記5の「子会社」は、い現地国において内国法人として扱われます。現地国から見れば外資系の内国法人です。内国法人に該当しますから、現地法人と同等に税務上扱われます。一般に確定申告により所得金額や税額を計算し、納税することとなります。

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